RIOTVのコンサートを観てきました。人生初!ライブハウスで指定席?若干違和感を感じましたが内容は素晴らしかったです。

10月5日㈯、RIOTVのコンサートに行きました。
クラブチッタが30周年を迎えての記念イベントとして、ちょうどアルバム「THUNDERSTEEL」が30周年を迎えたRIOTVがライブを行ったのが昨年の3月

そして今回の来日公演では売り口上として「Hard Rock Revolution vol.11 最終章」という大げさな枕詞がついています。


さて、今回の公演。
発表された当初から不思議な公演でした。
2部制で行われるというのはアリとして、なんと前半はアコースティックライブであること。そして全席指定席ということ。


さて、公演当日を時系列に追います。
この日ダブルヘッダーだったワタクシはお昼にクラシックコンサートを堪能し(別エントリーでアップ予定)、川崎へ向かいます。
アサメシが遅い時間だったので遅いランチをとります。
焼き鳥3本とビールね♪


ここの焼き鳥、なかなかイケました。お任せ3種焼きだったのですが、鳥皮がいわゆる焼いて塩振りではなく甘みのあるタレにつけて焼いているようです。せせりと砂肝は普通でしたけど。
しかし、相変わらず食べるのに忙しくてエサ・飲み物、エンプティー状態ですけど ^^;


さて、小腹を満たしたら戦闘準備完了です。
会場へ向かいますがいつものような長蛇の列がありません。なるほど、指定席ですから早く会場入りする必要はないんですね。
会場に入るとやっぱり異様です。だって、パイプ椅子が並んでるんですから(笑)。
消費税アップによる便乗値上げなのか、ドリンクチャージが500→600円に上がっています。


この日は前から4番目の席(!)に着席。周りの人も話していましたが、ファンの年齢層が高めのバンドの場合椅子はありがたいですね~。

今どきは開演時刻までスマホでヒマつぶしが出来ますが、昔はどうしてたんだっけ?103はオーディエンスの年齢チェックと、やはり異様な会場の雰囲気を楽しんでいました。
あれ?ふときづくとステージに緞帳が降りています。普通、このテのライブハウスはドラムセットやアンプが見えているものですが、今日は見えません。これも違和感の源泉ですね。


【第1部:アコースティック・ステージ】

開演前のBGMはメタル系の音楽が静かめに流れていますが、開演時間が近づくと暗転~BGMフェイドアウトになります。すると聞こえてきたのがビリージョエルのピアノで「New York state of mind」。まだ緞帳は降りたままなので、まさか誰かが弾いてるのか?以前だったらマイク・ディメオが弾くときもあったけど(彼はもともとキーボード奏者)、まさかニックの隠れた才能??などと思っていたら単なるBGMでした。でも、ビリー・ジョエルもRIOT(V)も同じニューヨーク出身。ふ~ん、だからビリーなのか、と単純に考えていましたが、第1部の最期に謎が解けました。(後述)


まずはセットリストを ↓

1.Tokyo rose
2.Land of the rising sun
3.Bloodstreets
4.Take me back
5.In your Eyes
6.Until we meet again
全体的に静かなステージ。静かな(日本人の)オーディエンス、若干いつもと勝手が違って演奏しづらそうでしたが、そこはプロ。ちゃんとこなしていましたよ。
マイク・フリンツとニック・リーはアコースティックギター。ドン・ヴァン・スタバーンはアコースティックベース。トッド・マイケル・ホールはヴォーカル。と、ここまでは普段通りなのですが、コンガを叩いていたフランク・ギルクリースト!オイ、どうしたんだ!なんと(In your eyesの1曲だけでしたが)ピアノを弾いたぞ!!ちょっとミスノートがあったが概ね大役を果たしたね。終演後のほっとした表情が良かったぞ!

さて、今回アコースティックステージと銘打っていたため以前から選曲を予測していました。オリジナルでもアコギをイントロに起用しているBloodstreetsあたりは予測していたのですが、他は全く予想外。良い意味で裏切られました。
特にディメオ時代の In your eyes は大好きな曲で、マイク・ディメオの非ハイトーンボイス(つまり低い声)を堪能できるナンバーです。うるっときますね。


そして最後のUntil we meet again 。マーク・リアリ逝去後のアルバム(RIOTが新生RIOTVとして復活した)UNLEASH THE FIRE 収録の曲である。
演奏前にドンがリアリのことを話す。
『彼と初めて日本に来たのが30年前の冬だった。我々の心の中に彼はいっしょにいるよ。今日も楽しんでくれてると思う』
このコメントの後に「また会うまで」と歌われたらぐっと来てしまう。
そしてこの時冒頭のビリージョエルの曲を思い出す。



夢を追い、夢に破れた人々がいつまでもニューヨークに思いをはせる。「いつかはニューヨークに戻りたい。ニューヨークへの思いに駆られているのさ。だって今でもニューヨークが大好きだから。」

マーク・リアリへの強い思い、メンバー全員そうだが特にドンは初めてRIOTのメンバーとして作ったTHUNDERSTEELアルバムを携えて初来日した地のことを今でも覚えていてくれる。
どうやら今回のアコースティックステージにはそんなマーク・リアリへの強い思いがあったのだ。

こんな特別なショーを企画してくれた彼らに改めてお礼を言いたい。
見た感じ、ドンはこの日体調がよくなく、つらそうな表情を時折見せていたが最後までステージで演奏しきったのはこんな強い思いとプロ根性のなせる業だろう。


【第2部:エレクトリック・ステージ】

約20分の休憩後第2部に突入。
Until we meet again でビールで献杯したのでトイレへ直行し2部に備えます。
まずはセットリストから ↓
1.Victory
2.Flight of the warrior
3.Bring the hammer down
4.On your knees
5.Metal soldiers
6.Fall from the sky
7.49er
8.Destiny
9.Johnny's back
10.Storming the gates of hell
11.Outlaw
12.Road racin'
13.Alter of the king
14.Angel's thunder, devil's reign
15.Magic maker
16.Heart of lion
17.Swords and tequila
18.Warrior
19.Thundersteel


ドンの体調不良を考慮してのことかどうかわからないが、アンコールなしの怒涛の19曲!
まず、普段あまり演奏しない曲を取り上げよう。
Bring the hammer down:UNLEASH THE FIREアルバム収録。PVも製作されていて、久しぶりに楽器屋さんに集ったメンバーがおもむろに演奏を楽しむという感じのフランクなイメージビデオ。しかし、ライブでの演奏は珍しいような気がする。

49er:NARITAアルバム収録。実はこの曲、大好きなんですよ!サビのところで「そんでもって」に空耳るだけでなく、エンディングでは「出ていけ!」と叫ぶのですよ♪ もう、思いっきり出ていってもらいました(笑)。

Destiny:こちら、ディメオ時代にはよく演奏されていたと思う(NIGHTBREAKERアルバムに収録)のですが、今のラインナップでは珍しいのかな。やはり今回は第1部で数曲定番曲を演奏しているので、レア曲を持ってきたのでしょうね。「マイク・フリンツの曲だよ」と紹介されていましたが、イントロのギターリフもボーカルメロディーラインもアタマに残る佳曲。

Alter of the king:FIRE DOWN UNDERアルバム収録曲。哀愁漂うそれでいて暗いイメージのギターフレーズによるイントロからシャッフルロックへ移行する曲。これはすごく意外な曲でした。ま、考えれば未だにRIOT(V)のド定番曲であるOutlawもSwords and tequilaもこのアルバム収録なんですね。映像はライブ映像なのですが、音声はオリジナル。画面にずーっと「FOR PREVIEW ONLY」と点滅しているのが正直なライブ映像で良いですね(笑)。


Magic maker:再びディメオ時代の曲。こちらもNIGHTBREAKERアルバムに収録。こうしてみるとNIGHTBREAKERは良質の曲が揃ったアルバムだな~、と改めて思う。


さて、体調不良のドンは今日は静かだがやっぱりテキーラは欠かせないのね(笑)。
マイク・フリンツが「初来日の時にライブ観た人いるかい?」と問いかけていたり、昔を懐かしむ場面もあったりしたがやはり基本的に良い曲をドンドン演奏していくスタイルは健在。とにかく聞いていて楽しいし歌っていて喉がくたびれる♪
いわゆる懐古趣味で昔を懐かしむのは第1部で終わり。ちゃんと切り替えてベストナンバーを第2部で怒涛の如く演奏してくれるし、そこには新曲ももちろんたくさん取り入れる。いわゆる「昔の名前で出ています」的な再結成バンドとは一線を画すライブでした。


ちょっと、各メンバーについて今さらながら一言ずつ。

トッド・マイケル・ホール
改めてRIOT(V)に加入して良かったと思う逸材。今回アコースティックステージは演奏しにくかったかもしれないが、ちゃんと役目を果たしたし、歴代ヴォーカリストの全ての曲を歌いこなす技量に脱帽。この日は上半身裸になりませんでしたが(笑)筋肉美も健在で同じ年代のニック・リーと比較すればごっつい。しかしステージパフォーマンス、コンポーザー能力にも長けていることから、もはやRIOTVの重要メンバー。

マイク・フリンツ
相変わらず鼻の穴がご立派なマイク(笑)。
第1部ではほとんどのソロを担当したけど、ただでさえ難しいRIOT(V)の曲でアコースティックギターでソロを弾くのに苦戦していたけど見事にやりきった感があります。ステージ上で教え子ニックと一緒にツインリードギターを弾いている時は楽しそうでもあり、しかし並んでみると貫録を感じます。さすが師匠!

ドン・ヴァン・スタバーン
もう、このかわいいおじさんが大好きです。体調不良でステージを降りるときには赤ら顔になっているほどでしたが、ちゃんと日本のファンに対して「輝き!」の掛け声は忘れないし、フランクとともにバンドの屋台骨を支える重鎮です。11月からはEUツアーもあるので体調に気を付けてください。


ニック・リー
彼のバンドへの貢献度は半端ないのですが、特にステージ上でのアグレッシブな演奏。見ているだけで嬉しくなります。モニターの上に立ったり、ドラムセットに這い上がろうとして失敗したり(苦笑)。師匠との息の合ったツインリードだけでなくコンポーザーとしても活躍してほしいですが、作品はMoon Tooth みたいになっちゃうかな?
しかし、まぁ、体の細いこと!周りが中年太りか筋骨隆々なので余計比較してしまうのですが、もうね、小学生みたいなの。表情も。おじさんが見ると可愛いけど演奏はタイトで正確ですから言うことないですね。

フランク・ギルクリースト
今まで自分の中で彼への評価が低かったかな~と感じたライブ。
まぁ驚きだったのがアコースティックステージでのピアノ演奏ですね。いつもドラムを叩くときはしかめっ面が多いイメージですが、ピアノ演奏直後にちょっとはにかんだようなところが可愛かったですね。で。ドラム自体なんですが、どうしても103的には以前のドラマーBobby Jarzombek の演奏がぶっとびだったのでなかなか彼に匹敵するドラマーは居ないと思っています。しかし、フランクのドラミングはボビーほど派手ではありませんが(髪を振り乱すところは派手 (笑))、腹の底に響くような演奏、速い曲でも正確なツーバスなど、いや、ものすごい演奏してるよね、というのが最近の評価。

なんだか、バンドの雰囲気としては今が最高なんじゃないかなという気がしています。いくつかのバンドではメインアクターがいてそれを中心にメンバー交代が激しいということがあります。少し前のRIOTでも多少なりとも「マーク・リアリさえいれば」という感情が働いていなかったとは言い切れないと思います。しかし、彼が亡くなった今(もう7年も経ちますが)、マークの遺志を継いでいる現メンバーの結束は固く、誰かが突出している状態ではなくメンバー間のケミストリーが上手に作用しているように見受けられます。このまま良いアルバムを作り出してくれることを祈ります。


ライブでRIOTの良品を聴くと改めて思うが、やはり「リフ、メロディーの良さ」が際立っていること。前回来日時の伊藤正則氏によるインタビューでも強調していたが、「曲の中のソロやボーカルメロディーなど、独立して鑑賞に堪えうるようなメロディー(リフ)を作るように心がけている。これはマーク・リアリが常々話していたことで彼の姿勢を踏襲して今でも曲作りをしている」というような主旨。

このことからもバンドの今後の作品に期待したい。
いや~今回も楽しませていただきました。

1コメント

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  • Keiichi Sakai

    2019.10.19 14:48

    いや、その後知ったのだが、Todd Michael Hall は今年50歳なんだと。 アンビリーバブルっつうか、50前に自転車に乗る機会がめっきり減ったワタクシはほぼ彼と同じ世代というだけで驚きを感じてしまいました。