12月3日(月) 場所は新宿文化センターです。
「時を越えて」とあるのはいわゆる古楽器を使っての演奏会だからということですね。
で。
新宿文化センターの大ホールが会場だったんですが、プレイヤーは2名。
「ダルシマー奏者」 小川美香子さん
「チェンバロ奏者」 寺村朋子さん
チェンバロは古楽器の代表選手みたいなもので(勝手にそう思い込んでいるだけかもしれませんが)、名古屋でブランデンブルク協奏曲全曲演奏会を見た時も、教会でチェンバロ独奏会を見た時もあるので生で聴くのは初めてではありませんが、珍しいことには変わりありません。
恐らくとてもチューニングが狂いやすいためライブでの演奏は大変なのでしょう。この日の開演前にもギリギリまで調律していましたね。
そしてもうひとつの楽器が『ダルシマー』というもの。
小川美香子さんのCDジャケット画像をお借りしましたが、これ↑がその楽器なんですね。
ハープを横に倒して木の板に固定した感じ。手に持っているのは木製のバチらしいのですが、本当に木製?と思うほどクリアーな音が響きます。パスタのトングのようにも見えますが(笑)。
さて、演奏した曲は以下の通り。
小曲を沢山披露してくれましたが、チェンバロ独奏・ダルシマー独奏・両楽器によるアンサンブルと変化に富んであっというまに終わってしまいました。
* J.S.バッハ:最愛なるイエスよ、我らここにつどいてBWV731
* J.S.バッハ:ただ神の み心にまかせるものはBWV691
* J.S.バッハ:ソナタニ短調 BWV964より「アダージョ」
* J.S.バッハ:カンタータ「神の時は最良の時なり」BWV106より「ソナティーナ」
* D.オルティス:ラ・スパーニャによるレセルカーダ第1番
* D.オルティス:≪幸せな眼よ≫によるレセルカーダ第2番
* D.オルティス:レセルカーダ第1番
* F.クープラン:バッカス祭(バッカスの陽気~バッカスの愛撫~バッカスの激情)
* F.クープラン:恋に落ちし夜鶯
* A.マルチェッロ:オーボエ協奏曲ニ短調より「アダージョ」
* J.S.バッハ:イタリア協奏曲BWV971より第1楽章
* ジョン・ケージ:マルセル・デュシャンのための音楽
* S.ヴァイス:シャコンヌ ト短調
ところでプレイヤーは2人で楽器自体もそれほど大きい音が出るモノではないのですが、いかんせんこの日のホールは大きすぎです。
パイプオルガンまで鎮座しているホールですよ。
演奏が進むにつれてお二人が曲や楽器の紹介をしてくれるのですが、マイクの音がこもって聞きづらく、演奏が始まれば音量が小さく聞き取りにくい。
幸い自分が座ったのは前の方の席だったので演奏は問題なく聞こえたのですが、後ろのほうの人は困ったでしょう。次回同様の編成の場合は小さいホールにしましょう。
さて両楽器について少し。
どちらも弦が張ってあり叩いて音を出す(弾く)楽器ではあるのですが、チェンバロは単音で弾いても倍音がたくさん含まれているような音。対してダルシマーはとてもクリアーな音で、やはりハープに似た音色のような気がしました。
あ、ダルシマーを持って録音する仕事の中で多いのが「火曜サスペンス劇場」だそうです。
つまり、犯人が分かって崖から飛び降りる寸前に「ジャラ~ン!」と鳴る音はダルシマーを使うそうです。演奏は、というと、弦を下から上にポロロロンと鳴らすだけなので、簡単かつ実入りの良いお仕事なんでしょうか(笑)。
そういえばチェンバロは本体の木の色がとてもきれいで、なんと椅子までコーディネートしているようでした。専用椅子なのか!?
ほらね。
ダルシマー用の椅子はピアノ用。チェンバロ用(左側)はウッドブラウン色で本体とあっているでしょ?
ランチタイムコンサートは時間が限られていると思うのですが(だからこそ?)、「アンコール曲もやります!」と、率先して演奏したのがコチラの曲でした。
平日の昼間でしたが、こういう無料で良い演奏会は東京では毎日のように開催されているようですね。
また機会があれば出かけてみたいと思います。
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