映画『ニードフル・シングス』を鑑賞しました。

スティーブン・キング原作の映画『ニードフル・シングス』、録画していたものを鑑賞しました。

以前にも見たことがあるのですが、現在進行中のテレビドラマ「キャッスルロック」が絶賛放映中の現在、やはりアノ町の最期を改めて見たくなるわけで。



さて、キングファンにはお馴染みの架空の町キャッスルロックは大多数のキング作品の舞台であるメイン州にあるとされる架空の町です。


デッドゾーンで初登場し、ニードフルシングスで破壊されるという町で、現在のキングの作家人生からすればわずかな期間しか存在しなかったが、初期の思い入れある作品で舞台となっている。
有名どころでは、4少年が死体を探しに旅に出る「スタンド・バイ・ミー(The Body)」、浮気の代償としてはあまりにも大きい狂犬病にかかった犬に息子を殺されるハナシ「クージョ」、存在しないはずの双子(出生時に死亡したハズ)の片割れに殺されそうになる「ダーク・ハーフ」、そして本作「ニードフル・シングス」。


さて、原作を読んだのはあまりにもまえのことなので拙ブログに読了エントリーはないが、「キングは映画より原作が面白い」というエントリーで以下のように記していたので参考のために貼っておく。

架空の街 キング作品で代表的な架空の街と言えばキャッスル・ロックですね。 (同名のウィスキーを買った事もありましたが・・・)
さて、この街。 キングがアタマの中で作り、最終的にはニードフル・シングスの中で完全に破壊しちゃうのです。 実在するデリーという街に近いところにあると仮定しているようですが、想像上のマチです。 これも分かりにくい設定でしょうか。
特にキング作品の場合、アメリカの社会で一般大衆が日常的に消費している食品とか、雑貨などの実名を挙げてこれでもか!といわんばかりにリアリティにこだわるくせにいきなり『架空の町』です(笑)。 そこについていけない人がいてもフシギじゃないかな。



では映画の感想を。

【こども】

毎回しつこいようですがポイントなので。
本作でもリーランド・ゴーントの正体を見極める・・・というか「何かおかしい」と最初に気づくのはブライアン・ラスク、こどもです。ニードフル・シングスで買ったもの(代償はちょっとしたいたずら)はひいきの大リーグ選手のカード。それも「ブライアンへ」っちゅうサイン入り。冷静に考えればそんなものをお店に置いてあるはずはないのですが。
ゴーントの絶妙な品選びと狡猾な話術によって次々と人々は騙され、特に大人は理性のタガが外れてしまうのですがこどもであるブライアンは真っ先に事の恐ろしさに気づき、しかしどうすればいいのか分からず自ら命を絶とうとするところをアラン・パングボーン保安官に助けられる。


【ネティ】

カフェで働くネティは少しオツムが弱い女性だが、愛犬を大切にする良いキャラクター。ある意味ミスターメルセデスのホリーにも通じる部分があると感じたが、そんな彼女ですら第3者のイタズラを宿敵(?)のしわざだと思い込み刺し違えてしまう(言葉の意味通り)。
そしてネティがイタズラを仕込むときにBGMとして流れているのは103の大好きなグリーグの作品ペール・ギュントの中の「山の魔王の宮殿にて」。


誰もが知っているメロディでおドロドロしくもある反面、少しだけ滑稽な印象を与える曲。いかにも「たいしたことないイタズラをしてるだけだよ。でも後から払う代償は高くつくよ」と曲が語っているよう。この選曲は見事です。


【現実世界とのリンク?】

この映画のストーリーをかいつまんで言えば『ちょっとしたイタズラだと思った自分の行動が雪だるま式に膨らんで収集つかなくなる。そして最後は世界が破滅し、張本人はのうのうと生き延びる』なのですが、まるで利己(自国第一)主義を振りかざすどっかのエライ人の比喩のような気がしてコワイ。
あ、どこかのウソツキも負けてない。

映画の宣伝文句にもありますが、「人を殺してまで、手に入れたい品物はありますか。」

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