RIOT(V) LIVE IN JAPAN 2018 (DVD)を鑑賞しました

2019年8月2日発売の「RIOT V LIVE IN JAPAN 2018」を購入、鑑賞したのでその感想などを記録しておきます。


当然103も見に行ったライブです。

2018年3月10日に行われたライブのインプレは「RIOTのライブに行ってきました。生涯で1・2位を争うくらい良いショウでした。」ブログを参照してください。


ライブ会場でもインフォメーションがありましたが、当日の模様はカメラで記録されて後日ライブ映像として発売されるとのことでした。

いや~、当日のオーディエンスはそれだけでいやおうなしに盛り上がりますよ♪

え~と、まずはこのライブの成り立ちについて。

RIOTはもともと本国アメリカやヨーロッパよりも日本で人気が沸騰したバンドだが(古のクイーンしかり。)、マネージングやアドバタイジングの問題でなかなか日本公演を実現させることはなかった。

数年の沈黙期間を経て発売された「THUNDERSTEEL」アルバムはその攻撃性やスタイルの変化などメタルファンの度肝を抜き、今では『メタル史上ベスト10位に入るのではないか』と言わしめるほどの名盤。

そのアルバムが発売されたのが2018年の30年前。

そして、日本で不動に人気を誇るRIOTが来日するたびに(初来日及び2回目は違うステージだが)ライブ会場として足繁く通ったのがクラブチッタ(川崎)。

こちらも同アルバムが発売されたのと同じ時期にオープンしたとあって、オープン30周年記念であった。


そんなクラブチッタ(川崎)とRIOT(V)の因縁を感じるアニバーサリーとして企画されたのがいわゆる「チッタ30周年に由緒あるバンドを呼ぼう!」企画だった。その時のチラシがコレ ↓ ね♪


そんなわけで3月11日に演奏された曲と10日のみ演奏された曲を収録した2曲を収録したDVDが発売されたのですから買わないわけにはいきません。


思い返せば様々な海賊版的音声・映像が出回っているRIOTですが、オフィシャルな映像作品は(PVを除いて)初めてではないでしょうか。

では、その内容についてのインプレを。


【DVD構成】

第1部:RIOT(V) 最新アルバム他からのベスト選曲による演奏。この中には最新作「ARMOR OF LIGHT」からの作品が数曲。前作やマイク・ディメオ時代の「Angel Eyes」を含めて(これ大好き)捨て曲一切なしのベスト選曲。ま、この時点でニューアルバムは発売前だったもののオーディエンスの反応は良く、もちろん103のようなファンは先行PVで予習して一緒に歌ったわけですが。

2部構成だっちゅうのにすでに前半で涙腺刺激名曲だらけで困るオヂサンを尻目に佳曲が目白押し。

第2部:「THUNDERSTEEL」アルバム全曲再現コンサート。103の「棺桶に同封してほしいアルバム現時点での第1位」のアルバム。これを全曲演奏しちゃうというトンデモ企画。ただし、超人気アルバムだけに発売30年の間にほとんどの曲が演奏済みであるが、この日は全曲演奏はもちろん、曲順も忠実に再現。

ヘビメタ界の超有名パワーチューンである「THUNDERSTEEL」はフツーのライブならアンコールまたは本編クライマックスに持ってくる曲なのに第2部のオープニングに贅沢にも配置。


そしてボーナストラック:3月10日(つまり103が見たライブね)のみ演奏された2曲をボーナストラックとして収録。こういう部分が日本のファンを大切にしているRIOTらしいよね。


【音質及びカメラワーク】

まず音質。しょっぱなから圧倒されたのは音の分離の良さ。各楽器はもちろんマイク(フリンツ)とニック(リー)のギターさえどちらの演奏か分かるようなクリアな感じ。ギター・ベース・ヴォーカルのようにラインで録音できる楽器はもちろん、ドラムのシンバルやタムなど非常にバランスよく収録されているところに会場設営スタッフの努力が見て取れます。小さな音もしっかり拾っているし、各楽器がクリアでかつバランスが良い。

だって、ライブ音源なのに普通のスタジオ録音のCDとしても発売できるほどのクオリティ。

あ。

ただ、一点だけ不満が。もうちょいオーディエンスの声を多く収録しても良かったのでは?特にアンコールの「Swords and Tequila」での観客の歌声は最高。さらに「Warrior」のサビでもあらん限りの声を張り上げているのに(当社比)、もっと聞こえてもいいだろという印象を受けてしまいました。他のライブアルバムに比べてどうなんでしょ?

そして映像。実際のライブ会場での観察およびライブ映像を見て推測できるのは撮影用カメラは7~8台くらいだということ。これがなかなかちょうど良い台数で、引き・寄り・ハンディなどを絡めて非常に良いカメラワークになっている。

特にハンディではメンバーが嬉しそうに演奏(または歌唱)している表情をつぶさに記録していて当日の興奮を思い出してしまいました。

ただ、せっかくステージ後方からのカメラも2台あった(よう)なので、もっとオーディエンスの模様を含め「ナナメ」からの映像を多用してほしかったな。


オマケ映像であるボーナストラックの2曲。

なぜか急激に画質が低下している。

これじゃあ今どきのブートレッグより画質悪いんじゃね?くらいだ。

しかし、映像を見てみるとカメラの台数は同じような構成に思われるし、なによりも音声は変わらず高音質なので公式マテリアルと思われる。

【RIOT(V)のお家芸 ツインギター】

RIOTだけでなくヘビーメタルバンドの一部ではCDと同じような音の厚み(または構成)をもたせるためにツインギター構成にすることが多い。

ただ、RIOTには他と違うなにかがある。

なんと言ってもマイク・フリンツその人の経験値。日本初来日公演である1990年ごろからバンドとともに成長してきたマイク。当然マーク・リアリ存命中は彼がメインコンポーザーであるとともにバンドのヒーローであるが、それに負けないようにあるいはリアリを引き立たせるために精進してきたのがマイク・フリンツである。マイクを師とするニックが加わったRIOT。単純にマイクがリアリの代わりを担うというだけでなく、必要な個所ではニックがリードも取るし、バッキングでサポートもする。そして何より昔リアリとフリンツがライブで「ギターバトルを」していたように曲中で攻守を変え音の厚みを維持するのはいかにも「ライオットらしい」と敢えて言おう。


【メンバーの表情とコーラス】

難しい曲を一生懸命弾く姿も美しいと思いますが、それを越えてメンバーの演奏時の表情は「笑顔」。もちろんリハーサルに裏打ちされた自信があるのでしょうが、とにかく楽しそうなんです。

ステージ上、トッドはもちろんハンドマイクで歌唱。加えるコーラスはほとんどがフリンツの役割なので、たとえばニックのところにはスタンドマイクはありません。スタバーンの前にもスタンドマイクがあるもののほとんど彼はコーラスをオンマイクで歌うことはなく、むしろMCに使用。もっぱら日本のファンへの感謝とSHINE ON!とリアリを悼む言葉だけなのですが・・・

ただ、マイクを使っていなくてもトッド以外のフロントマン3人はず~~~~~~っと歌っている感じ。

もうね、RIOTの曲が大好きで一緒に歌いたくなっちゃうという雰囲気を醸し出しています。

そして、オーディエンスや103も同じ気持ちなので彼らと一緒に歌っちゃうんですね♪


実はマイク・ディメオ時代のライブではフィメールボーカルが同行してコーラスをする時期もありました。あのころの作品をメインに考えると非常に良い構成だったと記憶していますが、今回のようなトッド+フリンツの構成もなかなかでしたよ。

【THUNDERSTEEL 全曲演奏】

これは恐らく史上初と思われるが、改めて感じたのが「捨て曲がないアルバムだな」ということ。

「Run for your Life」という曲はいままでライブで披露したことはほとんどないのではないかと思うが、「なぜやらなかった?」と思うほど良い曲。確かに全体的にはマイナーな曲調ではあるがここでのタイトな演奏はCD通りだし、何よりメインリフがイケてる。

惜しむらくはオリジナルのソロフレーズにもっとフックがあればライブ常連曲となっていただろう。

第1部も同じだが、とにかくCDを聴いているのではないかと思うほどの演奏技術の高さ。それを笑顔でこなすメンバーのスキルの高さ。そしてそれを全曲歌っちゃう103はじめとするオーディエンスのRIOT熱の高さ!

ライブではもちろん、DVDで見るだけでも思わず目頭が熱くなるような良質な楽曲と的確な演奏、そしてメンバーのエモーション!

どれも最高でした。


【そして続章は・・・】

この作品が発表されて間もなく発表されたのはRIOT(V)の次の公演。

なんと、次回も2部構成であるとのうわさ。

第1部はアコースティックライブ。第2部は通常演奏とのことで、こちらもいまから楽しみです♪

10月5日に参戦だぜ!

2輪、SK、ノイズ

2輪は自転車。SKはスティーブンキング。ノイズは音楽。 思ったことを素直に書いていきます。

2コメント

  • 1000 / 1000

  • Keiichi Sakai

    2021.06.30 12:21

    2021年6月30日。 改めて本DVDを鑑賞する。 彼らの的確な演奏(歌唱)とエモーショナルな曲作りに感動。 何も、花火で誤魔化したり、照明を派手派手にしてステージングしなくても、曲が良ければ最高のライブを体験できることの証だ。 これぞ、故Mark Realeが探求していた素晴らしいコンポージングのなせる業だ。
  • Keiichi Sakai

    2019.08.14 13:38

    なんと、あとでライナーノーツを読んだら、カメラは11台使用とのこと。