スティーブン・キング原作によるドラマ(全10話)をAXNで先日放映終了。
全話録画して見終わったのでその感想を。
【原作を読んだ時の感想】
2016年11月に読了した本書。キング初の犯罪小説ということで一瞬構えましたが、ぐいぐい引き寄せられるストーリーと魅力あるキャラクターの数々。
103の感触としては非常に楽しめた作品。
ただ、ブログにも書いたが心配していたのがキャラクターの描き方。
特にスーパーナチュラル的要素を多く持つキャラになればなるほど、原作を映像化する際にその魅力が薄れてしまう傾向にある(と思っている)。
今作に関しては、犯人が盗んだメルセデスの持ち主の姪に当たるホリー・ギブニーそのひと。
少しだけ人とは違う感受性の持ち主であるホリーはその天性の第6感でビル・ホッジスの犯人追跡に大きく貢献する。
彼女のキャラクターの描き方がどうなるか心配していたのだが、これは大成功。キング自身も満足しているのでは?
演じるのはジャスティン・ルーペ。2011年ころから活躍し始め、映画というよりテレビドラマに多く出演している女優さんらしい。
しかし!
彼女がイイ!
ホリーには軽い発達障害のような症状があるが他人に対して危害を加えたりすることはない。むしろそんな自分を受け入れてくれる場所や人を求めているという感じ。そんなホリーがビル・ホッジスとウマがあい捜査に協力するようになるが(最後にはビルに「大切な人」と言わしめるほど)、会話や表情はおどおどしている。それを上手に演じ、かつ魅力的に魅せている。これだけでもこのドラマを見る価値があるね。
写真はドラマのオフィシャルサイトから拝借したが、もっといい写真なかったのかね・・・
他のドラマでは別人と思わせるほど違う表情を見せている。
【お約束。キング作品とのリンク】
* 物語序盤、ブレイディ・ハーツフィールド初登場する際に車の中でかかっている音楽はペットセメタリー(映画)の主題歌。
* ビルが飼っているのはカメ。ちなみにリクガメね。Tortoiseのこと。カメ全般はTortleというそうで。
【ストーリーの相違点】
基本的に原作に忠実に物語は進む。時系列的な意味でもそうだし、登場人物の背景なども設定に気を付けている感じ。もちろんドラマ化するうえで仕方なくあるいは意図的に変えたあるいは追加した部分もある。
* 隣人アイダ・シルバー。ドラマオリジナルのキャラクター。ビルに対して少なからず好意を持っていてお互い独り身のためなにかと助け合いながら生活している。退職後荒れた生活に身を落としたビルに対して一緒に食事したり、自身のスタイルを自慢したり。でもビルがジェイニー・パターソンに好意を持っているところを目撃すると嫉妬したりして、ドラマ本編にちょっとしたスパイスを足してくれます。
* メルセデス・キラーことブレイディ・ハーツフィールドの母親、デボラ・ハーツフィールド。原作よりも細かく描写されていて、ハーツフィールド家のダークな部分をうまく表現している。ちなみに死亡後の処理方法(苦笑)が原作と異なる。
* ビルの娘の描き方が少しだけ細かい。彼女に対して(自身が警官なのに)施設送りにしてしまったことに負い目があるのか、最終話悪夢を見る際に重要なシークエンスに登場する。
* ブレイディの同僚でレズビアンのルー・リンクレイター。彼女がいい味を出しています。原作は最終ストーリーでブレイディにいじめられますが、ドラマでは刺されちゃった。
【自作への期待】
本作放映時に継続作品がつくられるかどうか決まっていたかは知りませんが、原作同様植物人間状態になったブレイディのシーンでは「もしかすると」という予感のもと幕が閉じられます。ブレイディをやっつけたときにどうしてビルが怪我したのかよくわかりませんでしたが、同じ病院に入院していたんですね。そして自作では(たぶん)この病院が舞台となってさらに忌まわしい物語がつづられるわけですが・・・
はやくシーズン2を無料解禁してほしいものです♪
0コメント