小池健氏により監督・演出・キャラクターデザインされた作品です。
ルパン自身を主人公にあてない(しかしルパンは必ず登場)映画シリーズの第三弾。
1作目は次元が主役の「次元大介の墓標」
そして第2作は「血煙の石川五エ門」。
どちらの作品も若かりし日のころのルパンファミリーをメインに描いている。
で、今作ではいよいよ不二子ちゃんの出番だ。
いや、本シリーズ共通のハードボイルドな演出に対して「不二子ちゃん」はナイか。前2作に比べると若干時代感が未来に進んだのかな?と最初思ったが、使用する車種や前2作までの敵キャラがチラ見することを考えればほぼ同時代。
さて、あらすじは公式HPでチェックしていただくとして、気づいた点をいくつか。
【相変わらずの線画】
とにかくこのシリーズは「劇画調」。
人物を描く「線」が太い!
なおかつ、太いトコと細いトコがあってこれぞ劇画風(笑)。
ま、松本零士先生の線に比べればまだまだですけどね。彼の描くキャラは線が細くなりすぎて破線になってますから(笑)
【不二子のキャラ醸成】
不二子といえば「女の武器は美貌と嘘」(とどこかで言っていたようなきがする)だけど、本作でそれが確立した感がある。
行きがかりじょうランディの息子ジーンを守る立場に置かれるが、その際魅せる表情は彼女にしては珍しく「母親然」としており(いや、それも嘘なのか・・・)、ラストシーンでのルパンとの会話に「嘘を武器にする女性」とは違う人間性を見る。
こういう人様の財産を盗む泥棒のくせに「人間臭い」キャラがルパンシリーズの魅力なのだ。
【敵キャラの性格】
ん?
これまでの作品と違い、今回の敵キャラであるビンカムはまるで「箱入り娘」のようだ。
つまり(危険であるが故か?)世間と隔離された人物像は殺人しか知らず、命令された仕事だけを遂行する。
彼が不二子と交わることにより女の武器に惑わせられるのであるが、それが「殺人生物」であるビンカムの心に変化を及ぼすことは明らかである。
前2作までの殺人者は多くの経験をしてきたキャラが時間をかけて殺人者に変貌していったと思われるのに対して、ビンカムはあまりにも世間を知らな過ぎて、最終的にとても人間臭い表情を見せながら退場する。
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